あの夏を忘れない 2011年(3) 教育長は沈黙

教科書を採択するのは5人の教育委員。その権限は絶対。
教育委員は、議会の承認を得て、市長が任命します。2011年中学教科書採択時、澁谷氏以外の4人(右の表で赤)は、松下政経塾出身の海老根靖典市長による人選、任命でした。
佐々木教育長は、歴史と公民の審議の初めに、『私は教育長として、教育現場を預かる者としまして、この場におきましては、各教育委員のご意見、ご協議を見守らせていただきたいと思っております。』として、沈黙してしまいます。 ☆採択の教育委員会会議録 歴史P13~、公民P17~
海老根市長が人選・任命した赤見・小澤・藤崎の3委員が歴史・公民ともに育鵬社を推薦
澁谷委員は歴史では「戦争によりもたらされたとされる功績を強調するあまり、戦争の悲惨さ、戦争への反省がおざなりにされているととらえられかねない記述が幾つかある」など「育鵬社の歴史教科書は藤沢市の中学生にはふさわしくない」と反対。公民では、学校から提出された「平成24 年度使用教科用図書調査書」に言及し、学校現場の先生達は育鵬社を評価していないなど理由をはっきりと述べ、明確に反対を表明しました。

2011年夏、中学校から出された調査書も、採択審議委員会の審議・答申もないがしろにし、教育的議論も希薄な中、育鵬社の教科書が採択されました。
市長による教育委員の人選と任命、政治が教科書採択に大きな影を落としました。